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実際、息子が人工内耳手術を経験してみて。手術のメリットとデメリット

どういった基準で「する・しない」を決めますか?

人工内耳手術とは

まずは、人工内耳手術を簡単に説明します。

頭部にインプラントを埋め込む手術です。

耳の後ろを切開後、耳の後ろの骨を削ります。
電極を挿入し蝸牛に埋め込み、頭蓋骨の一部を削り受信機を固定する。
電極動作テストを行い、傷を縫合する。

  • 適応者
    1歳以上

  • 術前検査
    CT、MRIや血液検査、心電図、レントゲンなどをしました。

  • 手術時間 
    全身麻酔で2~3時間ほど

  • 入院期間
    7~14日ほど

  • 価格
    総額400万ですが、保険適応です!
    各自治体により異なります。

  • 傷の大きさ
    耳の後ろに5~10cm前後
    髪の毛で隠れるので、ほぼ見えなくなります。

  • 初めての音入れ時期(音を聞く設定をする)
    手術から2週間~1ケ月

  • 音入れ後の聴力
    約25~40デシベル前後聞こえるようになる

音が聞こえるタイミング
手術してすぐ音が聞こえるようにはなりません。
音入れの設定(マッピング)をしてもらって、初めて聞こえるようになります。

埋込み後の交換の必要性はある?
インプラントは一度埋め込むと、故障がない限り、定期的にとりかえる必要はありません。故障はめったにないそうですが、頭部に強い衝撃があった場合は故障することがまれにあるそうです。取り換えには再手術が必要です。

片耳か両耳かの違い。
みどりくんは、片耳のみ手術をして 「また手術したくない」と言っているので、 もう片方は補聴器を装用しています。

片耳の場合
音の距離感や方向性を把握しづらい。音は聞こえるけど、どっちから鳴っているか方向が分からないので、みどりくんに背後から呼びかけた場合、すぐにこっちを振り向くのではなく、キョロキョロして音の出どころを探しています。
あと、人工内耳が故障した場合、片耳だと無音になってしまいます。みどりくんは補聴器の聞き取りが70デシベルぐらいなので、ほぼ役に立っていません。
コクレアの場合、病院を通して、平日だと最短1日で機器交換できます。うちは何回か故障しています。

両耳の場合
上記の問題はなくなるようで立体的に音が認知でき、聞き取りやすいようです。片耳と比べた時、聴こえの効果は2倍にはなるわけではないようですが、音のする位置が分かり、音が拾いやすくなるのは、両耳装用の大きなメリットですよね。

人工内耳手術のメリットとデメリット

メリットはご存知な方が多いと思いますので、多くは書きません。
このブログではあえて、デメリットの方を多く取り上げていきますね!

人工内耳のメリット

  • 音声で話せるようになることが多い
    個人差がありますが、音声でのやりとりが可能になることが多いです。
    手術をする最大のメリットではないでしょうか。

  • 重度難聴から軽度難聴への聞き取りレベルになる
    個人差がありますが、軽度難聴ほどの聞こえになる場合が多いです。
    1対1の静かな場所だと、小さめの声でも聞き取れるようになります。

人工内耳のデメリット

  • 手術のリスク
    めまいが起こることがあるが、通常2~3日で治るそうです。
    手術中に神経の近くを触るので、顔面麻痺がでる場合がある。3~4か月ストロイド治療をすれば治ることが多いそうです。
    確率の問題など心配なことは、主治医に相談してください。

  • 維持費が高額
    手術費は保険で安いのですが、維持費はかかります。
    乾燥剤や電池やら、細々とした維持費が数か月ごとにかかります。(そんなに大したことのない額です)
    ずっと同じ外側の機器を使い続けることはできないので、どこかのタイミングで買い替えが必要になります。何十万円もする機器なので、将来的に本人が費用面の負担ができずに外してしまう人もいるようです。
    両耳となると、費用面では2倍になります。

  • 聞こえる人にはならない
    軽度難聴者になるのです。
    ここを周りの人が理解しておくことが大切だと思います。音声でのやりとりができると、つい本人が聞こえにくいことを忘れてしまうことがあります。
    でも、大勢の会話ではうまく聞き取ることはできません。1対1でも周りが騒がしければ、難しいです。
    そして機器を外せば聾者です。
    このことを、踏まえた上で日常を送る必要があります。

  • 聴こえやすくなれば、悩みが少なくなるわけではない
    「うちの子が、どうか少しでも聞こえますように」という願いをご両親は持っていると思います。
    同じ難聴でも、重度より中等度、中等度より軽度の方が良いと思っていませんか?私は、なんの知識もなかった時に「いいなぁ。軽度の子は。うちは重度だからすごく悩む」と思っていました。
    でも、それは違ったんです。
    重度には重度の、軽度には軽度の、それぞれ違った悩みがあります。
    そして、実は中等度や軽度の人の方が悩み自体は深くなる場合もあるのです。

    重度であれば 「自分は聞こえない人だ」というアイデンティティを確立しやすくなります。
    周りも「この人は聞こえない人だから、何をすればいいかな」という態度で接してくれるので、助けてもらいやすい環境になります。
    本人も周りも「聴こえない人だ」と考えが一致しているのでスムーズなんです。
    一方、軽度難聴や人工内耳装用になると、たとえ本人が「私は難聴なんです」と言っても、周りは「え、難聴なの?でも聞こえているじゃない。あなたは大丈夫よ」と認識されます。そして本人も「私は聴こえていますから。手話はいらないし、何もフォローは必要ありません」と 自分の聞き漏らしに気づいていない場合もあります。でも、完全な聴者にはなれないので、聞き漏らしによるトラブルはおこる。それが認められなくて、聴こえていないことを隠し、少しづつ苦しくなる。「私は難聴者なのか、聴者なのか。どっちにもなれない。自分は何なんだろう」と人知れず悩みが深くなります。
    この事実を、周りの大人が理解しておき、「聞こえにくい子」として接することが必要です。

  • 話せたとしても、読み書きの能力は別!
    「人工内耳をすれば地域の学校でやっていける。聾学校は必要ない。」と医師から言われることがあります。実際に難聴児の息子を育ててきて「そううまくはいかない」というのが本音です。
    人工内耳をして日常的に話せていても、日本語をしっかりと理解できているとは限らないからです。書いてみれば、聞き間違い単語だらけ。日本語の文法がめちゃくちゃ。語彙の獲得が遅れている。聾学校であれ、地域であれ、これは人工内耳装用児の多くに立ちはだかる壁です。どの学校に行くにしても、日本語獲得の対策はたてる必要があります。
    「きっと自然に覚えられるだろ~♪」という私の当初の希望は、打ち砕かれましたよ!!

  • 手話に触れる機会を持ちにくくなる
    「人工内耳をすれば、手話は必要ない。」という医師がいます。これも、現場の母親の意見としては「いやいや・・そんなわけないだろーが!」というのが本音です。こちらは、毎日子どもと接しています。色々な場面をこどもと一緒に経験します。当たり前ですが、人工内耳の限界もみえます。やはり、手話や指文字という手がかりは必要だと感じます。人工内耳を使用していない場面、騒音のある場面でも、手話があれば会話できます。学習面でも手話や指文字があった方が楽に日本語を習得できました。そして何より、聞こえない人の言語である手話を使うことで、「私は聴こえない子なんだな」と本人が理解することができます。

藤山香絵の答え

めちゃくちゃデメリット書いてる・・・この人は反対派なのか?と感じたかもしれませんが、みどりくんは、2歳0か月で人工内耳手術をしています。デメリットを考えた上で、悩んで悩んで手術を決めました。

手術を決めるまでの心の揺れ

私が悩んだポイントは、「手術を選ぶということは、息子の難聴を否定している行為になるのか」ということでした。
私は、難聴児である息子を尊重したいと考えています。
「難聴のあなたが好きだし、難聴そのままのあなたがいいんだよ!」と赤ちゃんの頃から思ってきました。
でも、手術するとなると「そのままのあなたがいいと言いながらも、聞こえることを望み、手術してるじゃないか!」という矛盾を感じたのです。
それなら、本当に「そのままのあなたでいい」というメッセージを貫き通したい!重度難聴のまま、ありのままのこの子を育てたい!と感じたのです。手術をした方がいいと判断した主人とは対立していました。
難聴者は人工内耳手術反対の方もいますよね。
「難聴であることは、悪いことではないのだから、手術するなんて親の勝手だ。難聴を受け入れないという態度なのか?」という難聴者としてのアイデンティティの問題と結びついているんだと思います。私もここに結び付けて考えていて、「手術すること=難聴を否定すること」と考えてしました。
当然、否定したくないから手術しない!と決めていたんです。

私が手術を決めた理由

主人との話し合いで、「難聴である本人を尊重すること」と「手術をすること」は別だと気づきました。
主人の意見は、私にとって全く新しいものでした。

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しろさん

ぼくが手術をしたい理由は、みどりくんに選択肢を与えたいから。
100デシベル以上の重度難聴であるみどり君が、音声でやり取りする可能性は低い。それなら手術することで、音声を選べるようにしてあげたい。手話を使うか、筆談を使うか、音声を使うかは本人が選べばいい。

ぼくは、難聴を否定しているわけではない。

本来ならみどり君本人に手術を選んでほしい。
でも、年齢による ※装用効果 を考えれば、みどり君が選べる年齢までは待てない。
だから、かわりに親が決断する必要がある。
だったら今、出来る限りのベストを選んであげたい。

※木島先生がおっしゃるには、 装用効果は 4歳までは十分にあるそうです。1歳でやらなきゃ!早くしなきゃ!急がなきゃ!と焦る必要はなく、じっくり考えましょう!

これを聞いて、難聴児をありのまま認めることと、手術することは別の問題だと気づいたのです。
「手術=難聴を否定すること」ではないんだと納得したのです。
主人のいうように、みどりくんに選択肢を増やしてあげたい。

もしか将来・・「どうして手術なんてしたんだ!」と、成長した息子が怒ったとしたら、その時は本気で謝ろうと決めました。
悩んで悩んで、悩み切ったからこそ「当時のベストを選んだんだよ。あなたが選べる選択肢を増やしたかった」と息子に堂々と説明できるだけの覚悟を決めました。

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かえ

難聴がイヤで手術したんではない。
大きくなった息子が、人工内耳を捨てて無音で生きることを選んでもいい。
息子が決めたことを応援します。
いま、できる限りの可能性をプレゼントしたいから、私は手術することを決めました。

手術を検討しているご両親への伝えたいこと

まだ小さい赤ちゃんのうちに、悩まなければいけないつらさ。
本来なら、ただ可愛がっていればいい時期に病院に通ったり、日々情報収集してクタクタになったり、苦しいですよね。
命に別状はないにも関わらず、わが子にメスを入れるつらさ。
当時、たくさんの辛さを感じていました。



いま、手術を悩んでいるあなたへ

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かえ

苦しいよね。つらいよね。
あなたの気もち、本当にわかる。
それは、私も同じ道を通ってきたから。
いま、先が見えずに不安だよね。

でも、悩んで悩んで悩み切ったからこそ、
私は出した答えに自信が持てました。

深く考えず医師に進められるまま手術を決めるより、
苦しくても悩んでいるその時間こそが、今後の難聴児育児にもつながっていく大切な時間だと感じます。
だから、安心して悩み切ってください。

そして、手術をする、しない、どちらの答えを出したとしても、親が考えぬいて一生懸命だした答えが、ベストだと思います。
後悔するかもしれない。それは、今の時点ではだれにもわからない。

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かえ

誰に何を言われたとしても、
私は、あなたの決めた答えを応援します。
自分が出した答えに、自信を持ってください!

みどりくんの手術レポはこちら↓

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