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難聴児育児。手話か口話か?手話を使うと日本語を話せなくなるの?

難聴児を育てる時、手話も使った方がいい?口話だけでいい?

手話の種類

手話には種類があります。

  • 日本手話
    ろう者による言語。文法も日本語とは違います。
  • 日本語対応手話
    音声言語である日本語に、手話単語を一語一語あてはめていくもの
    ( 聴者が学ぶ多くの手話は こっちです)
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かえ

まず、私が使う手話は、日本語対応手話です。
私は、日本手話は読み取れませんし、全然使えません。
このブログでさす手話とは、すべて日本語対応手話のことです。

これから難聴児を育てるお母さんへ

この記事は、Instagramでのコメントの質問をいただいたことで、書こうと決めたんです。
赤ちゃんのお母さんからの質問で、「わが子が難聴とわかったけど、手話を使わなければだめ?」「手話を使ったら私が全部通訳する生活になるの?」という内容から、私がいっている手話と、赤ちゃんのお母さんが思い描いている手話がかけ離れていることに気が付きました。

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かえ

手話を使うからといって、声や日本語を使わないわけじゃないよ。
声で話しながら、手話も同時に使う感じ。
これから日本語を覚える難聴児に使う手話は、日本語ベース。
聾者同士の素早い手話のイメージとは全く違ったもの。

当時の私の心境

  • 覚えよう!と思っても、難しいな。
    使う相手も赤ちゃんのみだと反応もなく、どこから覚えていいのか途方に暮れる。何か月も手話の本を開くことができなかった。
  • 当時、手話を使うこと自体にも抵抗があったこと。
  • 手話を使っていく生活がどういったものなのか、想像すらできなかったこと。子どもがどう育っていくのかが分からず、手話を取り入れていいのか不安だった。

きっと、あなたも、同じように感じているのではないでしょうか。
手話を覚えるようアドバイスをもらっても、なじみのない言語。
なんだか、手話を覚えることで、聴こえないわが子と共に、未知の遠いところに行ってしまうような心細さ。
手話を使うってことは、聴こえない世界に足を踏み入れることが確定したような怖さ、これからどうなってしまうのか漠然とした不安。
手話を使う自分も想像できず、難しそう・・と気がひける。
できれば、自分に馴染みのある音声で育てたい。
そっちの方が、間違いがない気がする。
手話を使ってしまうと、聴こえない世界に限定され、狭い世界で生きていくことを選ぶような気がする。
色々な人と会話できる子になってほしいから、声で育てたい!
「いいよね。音声でも・・きっと音声に慣れていくでしょ」と、手話が遠ざかっていく。
私が手話を使い始めたのは、1歳前後でした。
やらなきゃ、と思いつつも「なぜ必要か」も分からず、手話は敷居が高いものでした。
そんな当時の自分が知りたかったことを、赤ちゃんのお母さんへ向けて、記事にしました。

手話のメリット デメリット

わが子が難聴だと知ったお母さんは、手話か口話かで一度は悩みますよね。
藤山香絵が考える両者のメリットとデメリットについて述べます。

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かえ

私は、結論から言ってしまえば、両方大事だと思っています。
声だけ、手話だけではなく、どっちも活用する。
手話と声のバイリンガル育児をして、こどもの選択肢を増やす!
実際、難聴児を育ててきて、手話を通して感じたことを書きますね。

手話メリット

  • リアルタイムで情報のやりとりができる
    その場で情報が読み取れます。
    その場のノリや空気感を難聴児も味わえる。
  • 難聴者に歩み寄る姿勢が、存在の肯定をあらわす
    自分のために手話を覚えてくれたことで、自分が家族に受け入れられていると感じ安心できる
  • 指文字を使うことで、確実に日本語を伝えられる
    初めて聞く単語を聞き間違いなく覚えるのは、難しいですよね。
    私は、新しい単語は必ず指文字で表して伝えます。一文字づつ、確実に間違いなく届けられるので、言葉を教える際にとても助かりました。
    音声だけで単語を覚えていくと、あいまいに聞いた音をそのまま記憶してしまいます。難聴児が声で話している時は「言えている」と思っていても、聞き間違い単語は、書いた時に初めて発覚します。小学生になり、書き始めてから聞き間違いの多さに気付き、覚え間違いの訂正に時間がとられます。
    手話を使わなくても、書いて教えることで解決できますが、移動中なども指文字なら気軽に伝えられるので助かりました。
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みどりくん

・王様(おおさま、おうさま、おーさま)とか、聞いただけで分かりにくい言葉も、指文字で確実に覚えられたよ♪

・(緊急出動、災害救助隊)みたいな長くて難しい言葉も、指文字と音をセットで覚えたから、間違いなく書けるんだぁ

  • 難聴者としてのアイデンティティが明確になる
    聴こえない人のことばである手話を使うことで、「自分は聴こえにくい存在なんだ」と自覚することができます。軽中等度や人工内耳装用児は、自分は聴こえにくいという自覚をもたないまま、聞き漏らしに気づかないまま成長していくことがあります。自分は健聴者ではない、でも聾者でもない。どっちにもいけない。大きくなってから「自分は何者なのか」と考え悩みます。

  • 手話で「全て分かる」体験をすることで「分からないこと」に気付く
    自分が聞いた情報が100%だと信じて生活しています。聞き漏らしに気づかなければ、聴こえたわずかな情報を100%だと勘違いしてしまいます。
    手話を見て「100%分かる」体験をしておくことで、今度は、手話がなければ「分からない」と気づくことができます。
    その経験が自分の聞き漏らしへの気づきにつながります。

  • 会話内容が分かることで一般知識などの情報を得られる
    聴こえる子は、会話を聞いて自然と情報を得ています。手話で情報保障をすることで、これと同じ状況を視覚的に作っていきます。
    難聴児で音のみでのやりとりとなると、自分に関係のない会話は聞こえてこず、一対一でしか情報を受け取れません。
    その情報不足により、一般知識がぬけおちたり「こんなことも知らないの?」」と驚くような常識を知らないままの状態になります。
    家庭内の会話を見てわかるようにすることで、幅広い知識を得ること、自分に必要な情報を取捨選択できる経験をつむことができます

  • 他者の心や状況を想像する機会が得られる
    手話の情報保障で、ものごとの流れが分かれば、なぜそうなったかが分かるので、自分の力で相手の状況を想像したり、相手の気持ちを考えることができます。
    幼児期にこの経験を積んでおくことが、心の発達にはとても大切です。
    成長し、場の空気を読む能力につながります。

参照記事:手話を使って他者の気もちを想像する土台作り

参照記事:家庭内での情報保障の必要性。手話が難聴児の成長に有効な理由

参照記事:難聴児に常識を教える方法!ものごとの流れが理解のカギ!

手話のデメリット

  • 覚えるのは、最初はハードルが高い
    手話に縁のなかった健聴である親にとって、新たに言語を覚えることは気安くはありませんよね。最初は特に気合いがいります。
  • 世間では手話はほとんど使われていない
    手話に慣れてしまったら、家族以外の人とのコミュニケーションに困るんじゃないか? 一番の心配はここではないですか?
    世間では手話ができる人は少ないですよね。
    手話を選んだら手話だけになってしまう?と思われている方も多いと思います。
    我が家は、手話も声も両方を大切にしています。
    みどりくんは、人によって手話や声といったコミュニケーション法を使い分けています。聾学校の子たちもこのタイプが多かったです。
  • 読唇術を鍛えにくい?
    注)これはこどもによるので、私の個人的な感想です。
    みどりくんは、聴覚活用型+手話のある環境ということもあり、読唇術は不得意なんです。
    難聴児のなかでも
    ・聴覚活用型:音を頼りに情報をうけとるタイプ
    ・視覚活用型:目を頼りに情報をうけとるタイプ
    があります。
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STの先生

みどりくんの場合、幼児期に「見ること」に焦点をあてた訓練をしてきていないので、小学生になり いきなり口を読むことは難しいです。読唇術を身に着けるためには、幼児期に「口を見て!」と根気よく言い続け、家庭でも手話を使わず「見ること」に特化した訓練をしていくことが必要です。ただ、一切手話を使わず、「みて!」という関わりを続けるのは、みどりくんの心が不安定になるなどの問題もあったとは思います。

うちの場合は、聴覚活用型だったこともあり、幼児期の言語訓練では、聞き取り練習をメインにやっていたんです。
そして、家庭でも幼稚部でも手話がある環境だったので、特別に唇を読む必要もなく。
小学生になり、地域の学校で手話なしの授業を受ける中で、いきなり読唇術がんばってみてね!というのは、無理でした。
手話なしで育ってきた子の方が、じっと口元を見ている印象が個人的にはありました。

口話のメリットとデメリット

口話のみのメリット

  • 読唇術の技術が身につく
    口話で全てやってきた人は、じっと口元を見て情報を読み取ります。
    読唇術は、何もしなくて自然に身につくものではないようです。
    幼児期から、何度も何度も唇の形を読む練習をし、家庭でも親がフォローすることによって、身に着く技術であるといえます。
  • 親の言語に合わせるので、親の負担は少ない
    手話を覚える必要がないので、親の負担は少ないです。
    新しい言葉を教える際は、聞き間違いやすいので、書いて教えるのが良いと思います。

口話のみのデメリット

  • 神経を張り巡らせ、疲れる
    「きこう!」と頑張って口元をじっと見て、聴こえてくる途切れ途切れの単語を手掛かりに推測し、会話を組み立てていく作業。
    これをずっと続けるので、気が休まる時がなく、疲れやすくなります。
  • 家庭内で孤独になりやすい
    自分以外の家族が笑っても、自分だけ理由がわからない。自分だけ会話にまざれない。「なに話してたの?」と聞くと要約した結論のみを伝えられる。後で内容だけ分かってもリアルタイムで感情を共有しづらい寂しさがあります。
  • 聞き間違えて単語を覚えている
    小学生になり、文を書きだしてから覚え間違いに気づく。
    曖昧に覚えているものが多い。

手話に関してのご質問 アンサー

私が手話を始める際に感じたこと疑問、お母さんが不安に思うポイントに、難聴児を育てての実体験をもとに回答します。

人工内耳をすれば、手話はなしで良いと言われた。

人工内耳であっても、軽中等度であっても手話は必要だと、私は思っています!人工内耳をつけていない時は会話ができないことになりますし、1対1で静かな場所ばかりではないので、聞き取りにくい状況は想像以上に多くあります。
中等度や人工内耳の場合だと、日常会話は音声でのやりとりが可能だと思いますが、日本語の基礎を作るためにも、手話があった方がスムーズに学習に移行できると経験を通して思いました。

手話を使うと、日本語を話せなくなると医者に言われたけど?

日本語対応手話は、日本語を話しながら一語一語に手話をあてはめていくものです。ということは、日本語も手話も同時に使用しているのです。手話が原因で日本語が話せなくなる心配はありません。

手話ができない人とのやりとりが不可能になるのでは?

聴力や個人にもよりますが、軽中等度や人工内耳であれば日常会話は問題なくやりとりできる子が多いです。(難聴児が相手の声を聞き取れても、難聴児の発する声が相手に伝わるかというのは発音の明瞭度によります)
子ども自身が、手話ができる人・できない人を見極め、相手により声や手話を使い分けますので、手話をしたからといってやりとりができなくなることはありません。

手話が当たり前になると、その環境に甘えてしまうのでは?

ほっといても社会は口話中心ですよね。こどもは、外で必死に音を聞き取ろうと頑張っています。家に帰れば、見てわかる言葉に、ほっとできる空間をもってほしいと思います。
聾学校にいる場合は、手話があるのが当たり前と感じてしまうかもしれません。でも、習い事をしてみたり聴者社会に触れることで環境を広げることができます。

結論 声も手話も両方使えば、選択肢が増える

私の結論は、声も手話も両方が大切。どっちもやってほしい!ということです。
手話だけが、声だけが、大切ということではありません。
みどりくんは、幼稚園の時1年半の間、聞き取りや発音の訓練に通っていました。
私は、手話を大切にしながらも、聴者とのやりとりにも重きを置いた訓練を選択してきました。
それは、「手話か、口話か」という教育方針から出て、
「手話も口話も両方使いこなす」教育方針を選んだからです。

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かえ

手話も声も両方やれば、選択肢が増える。
こどもがどっちも好きな方を選べる環境を作りました。
難聴者とは手話で話せるように。
聴者とは声で話せるように。
どっちも大切。どっちも必要。
両方もっているからこそ、選べる。

「手話か口話か」どちらかでなく!
これからの時代は両方選んでバイリンガルに育てましょう。

両方、一長一短があります。
どちらかだけで完璧ということはありません。
どちらかにこだわることではなく、手話のいいことろ、声のいいところ、融合させていこう!
両方使えると色々な人と話せて、世界が広がると思うんだ(*^。^*)

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